“戦略的余白”を毎日に作ろう

セレンデピシャスな発見からイノベーションが多く生まれる事はよく知られる通りですが、セレンデピィティが生まれるためには一定の無計画性が必要だな、と感じます。

目的を達成するための行動ではなく、意味もなく今までは違った道を通ってみる、理由なく普段行かない街や海辺に行ってみる。英語でいう”Stroll”の概念です。こういった無計画性の中からイノベーションが生まれた例は枚挙に暇がありません。

しかしながら現代においては、ほとんどの行動は何かしらの目的を達成するための行動が多く(例えば仕事に行く、ジムに行く、飲みに行く)、計画性に溢れたルーチンの中で生活する我々にとっては、明快な理が伴わない“無計画な行動”が入り込む余地は少ないでしょう。

すなわち、無計画な時間を作るためには、一見パラドクスに聞こえますが『計画的に無計画になる時間』を設計しなければならない、という事です。これを僕は勝手に”戦略的余白“と呼んでいますが、忙しい人であればあるほどこの戦略的余白を作りづらい。また、戦略的余白を持つ事は概念的には成り立っても、忙しい現代社会においては『それがなぜ有用なのか?』を実利に立脚して説明する事は難しく、日々こなすべきタスクの前では相対的な優先順位も低いため、継続的に行うことは難しい。

しかしながら、この合理性に溢れた世の中で、非合理的な活動に意味を見出し、そこに賭ける姿勢を身につけなければ、社会レベルも会社レベルも個人レベルでも次の時代を闘っていくのは難しいのかな、と感じます。