ココが変だよ「働き方改革」

ふと、『働き方改革』に関する記事をネット上で読んだので、思い出したのだが、、、

僕は、国が掲げる『働き方改革』は少しズレていると思っている。

なぜズレているかと言うと、『どうやって働き方を改革するか?』という“How”の部分にばかり焦点が当たり、『なぜ働き方を改革しないといけないのか?』という“Why”の部分があまり言及されていないから。

もうちょっと具体的に説明しよう。


世の中には、2種類のタイプの人がいる。

①明確に残業をしたくない派と、②残業をしても構わない派に分かれる。
どちらでもないというニュートラル派も②に内包される。

①のタイプの人には、当然「早く帰りたい」という意思があるので、手段であるHowの部分を議論するのは意味がある(手段と言っているのは例えば『ノー残業デー』の導入とか)。

一方で、②の、大して早く帰りたくない人に対して、「どうやったら早く帰れるんだ!」「働き方をどう改革するんだ!」「残業をどう無くすんだ!」と迫ったところで、自分が興味・関心がない部分に関してのHowを問われても、全然乗り気にならないのは当然の事だ。

極論を言えば、早く帰っても友達がいないから会社に残っていたいとか、早く帰ってもする事がないから仕事の質を薄めてダラダラ仕事したいとか、あくまで一般論として、そういった人が意外と多いのではないかと思っている。

と、するなるば、残業抑制などのHow(方法論)と並行で論ずるべきは、

『そもそもどうやったら自発的に早く帰りたいという意識を持ってもらえるか?』

という”Why”の部分ではないだろうか。

じゃあ、どうやったらそのWhyの意識を持ってもらえるの?という点に関して、僕なりの見解を述べてみる。

まず、人が早く帰りたいと思う理由を大別すると5つあると思っている
※あまり深く考えて発言してないのでもっとあるかもだけど・・

a) 家庭 (子育て、介護)
b) 恋愛 (デート、合コン)
c) 趣味 (生け花やフットサル)
d) 勉強 (通学、資格や試験の勉強)
e) 信仰・宗教 (日本ではあまり該当しない)

(a)とかは結構顕著で、小さなお子さんがいる人などは、働き方改革を強要しなくても自発的に色々と工夫して効率的に帰る仕組みを考える。

(a)とは別に、例えば今回は 「(c) 趣味」 に焦点を絞ってみよう。

国として、『平日の夜でもできる趣味を持ちましょう!』と呼びかけたところであまり意味はない。

ポイントは、国として、色んな趣味を味見する場を提供してあげる事が重要なのだと思っている。そのきっかけや体験を通じて、『これは没頭できそうだ!平日の夜にもぜひ通いたい。』と思える趣味を色んな人に見つけてもらうことが目的だ。

そうは言っても、じゃあ国としては具体的にどうやってその『場』を提供すれば良いのか?

具体策を挙げてみよう。

まず、アクセスの多い主要都市(新宿、銀座)などに大きいイベントスペースを貸し切る。そこで、カテゴリー別の色んな趣味を体験できるブースを設ける。イメージとしては、デパート地下の試食エリアか、就活フェアのようなイメージ。色んな趣味を体験できるように、文化系、スポーツ系など幅広い種類の企業を誘致する。幅広くというのがポイント。
※ここでもう一つポイントなのが、都心の主要部にスペースを借りること。あくまで気軽に体験に行けるようなロケーションでないといけない。例えばビジネスの主要部から遠い立川とかにスペースを設けてもダメ

スペースを借りる場所代もバカにならないので、例えばブース出店料をオークションかリバースオークション式にして、それぞれの領域における出展企業を募集する。生け花教室を普段やっている会社がお金を払って生け花体験ブースを出すイメージ(マネタイズのモデルとしては、三越などのデパートに近い)。出展する企業としても、自社の活動を一気にアピールできて、体験ブースを通じてアップセルや会員登録などに繋げらればメリットは大きいはずだ。

こうすれば、色んな人をハッピーにして、働き方を変えるきっかけ作りを提供できるはずだ。

おさらいすると、僕の主張としては

① 働き方改革をどうやって遂行するかの手段(How)だけでなく、自発的に働き方を変えたい(Why)と思ってもらえるよう、HowとWhyの『両輪』で働き方改革を考える必要がある

② Whyを啓蒙する手段は沢山あるが、例えばそのうちの一つとして、平日の夜に通える趣味を持ってもらう事がある

③ ②を実現する手段として、例えば色んな趣味を「味見」するスペースを作り運営する事が考えられる

・・・というような事を耳鼻科に行く途中に悶々と考えてました。

花粉症つらい。